死亡後の口座解約、名義変更
相続についてです。
銀行口座の凍結は時間が経って自動的に解除されるわけではなく、手続きをしないと解除されません。
預貯金の相続手続きは、基本的に故人の口座を解約し、預貯金を指定口座に移してもらうという処理が一般的です。
銀行の相続手続き
- 被相続人が亡くなったことを銀行に連絡する
- 必要書類を用意
- 必要書類を銀行に提出
- 払い戻しの手続きが行われる
※複数の口座がある場合は金融機関ごとに手続きを行う必要があります
相続手続きの期限
原則、銀行の相続手続に期限はありません。
そして銀行側から被相続人が亡くなったかどうか確認をとってくることもなく、故人の口座を放置していても罰則を受けることもありません。
ですが、10年間使用されていない口座は休眠状態になってしまいます。
休眠状態になっても後から相続手続きを行えば引き出せますが、お金は一時的に預金保険機構に移管され、民間公益活動のために活用されます。
さらに現在一部の銀行では口座維持手数料を導入しているので、口座を持っているだけで費用が発生してしまう場合があるので、口座の解約は早めにやった方がいいようです。
※相続手続きに必要な書類の中に「相続人の印鑑証明」が必要ですが、印鑑証明は発行後3か月までが有効としている金融機関が多いので、手続きをする際には一気にやらないと期限が切れてまた書類の集め直しになる場合があるのでご注意ください。
手続はできるだけ早めに
「書類は再発行可能だし、期限がないなら後回しでもいいか」
と思うのは間違いで、被相続人(故人)の口座を放置したために、一部の相続人が勝手に預貯金を引き出して使い込むケースが増えているそうです。
不当な使い込みを取り戻すためには、不法行為で訴えたり、不当利益返還請求をしたりする必要があります。
時間、労力、訴訟費用までかかり、親族間トラブルになってしまい余計な手間を増やすことになりかねません。
大切な人をもし失くした場合、こういった手続きをする余裕が無いかもしれませんが、もし相続人が家族以外にいるのであれば、早めに手続きをしておいた方がいいかもしれません。
相続手続きの必要書類
遺言書がある場合の必要書類
- 遺言書
- 自筆証書遺言の場合は、検認調書または検認済証明書
- 被相続人(故人)の戸籍謄本または全部事項証明書(死亡が確認できるもの)
- 預金を相続する人の印鑑証明(遺言執行者がいる場合は執行者の印鑑証明)
- 遺言執行者の選任審判書謄本(裁判所で遺言執行者が選任されている場合のみ)
遺言書が無い場合の相続手続き必要書類
遺産分割協議書がある場合
- 遺産分割協議書(法定相続人全員の署名押印があるもの)
- 被相続人の除籍謄本、戸籍謄本または全部事項証明書(出生から死亡まで連続したもの)
- 相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書
- 相続人全員の印鑑証明
一切何も無い場合
- 被相続人の除籍謄本、戸籍謄本または全部事項証明書(出生してから死亡まで連続したもの)
- 相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書
- 相続人全員の印鑑証明
残高証明書の発行方法
残高証明書とは、被相続人(故人)の口座にある預貯金の残高を証明する書類です。
遺産分割協議の際や、被相続人の財産総額が基礎控除額を超える場合の相続税申告のときに使う事があります。
※通帳があれば一番わかりやすいですが、ネット銀行など通帳が発行されない銀行もあるので、残高証明書を発行する方が安心です。
残高証明書発行のための必要書類
- 残高証明書発行依頼書(金融機関でもらえます)
- 口座名義人が亡くなったことが確認できる書類(必ずしも戸籍謄本や除籍謄本でなくとも、法定相続情報一覧図の写しでよい金融機関もある)
- 依頼人が相続人であることが確認できる書類
- 依頼人の印鑑証明書
- 実印
- 口座名義人の通帳やキャッシュカード
なお、一通400~1,000円程度の手数料がかかるそうです。
また、申請してから残高証明書を発行してもらうまでは数週間かかることもあるので、手続きは余裕を持って行ってください。