口座名義人が亡くなった場合
銀行口座凍結について
口座の持ち主が亡くなった場合、即座に口座が凍結されると言いますが、実際は違うようです。
実際に口座が凍結されるのは、銀行が口座名義人の死亡を知った時に凍結するとの事。(役所から銀行に連絡はしません)
相続人が銀行に申告しなければ銀行は名義人の死亡を知らず、口座は凍結されないままとなります。
稀な例ですが、著名人や社長などが亡くなった場合、新聞のお悔やみ欄で銀行が訃報を知り、自宅に電話で確認をしてくるという事が稀にあるようです。
ですが一般人であれば、基本的にこちらから銀行へ連絡しない限りは凍結されないようです。
口座を凍結する理由
故人の口座から勝手にお金を引き出せて使えてしまうと、親族間で重大な相続トラブルの原因となる恐れがあります。
ですので、通常は一度銀行に口座名義人の死亡を伝えて凍結してもらうのが一般的とのこと。
銀行側は確認ののち口座を凍結しますが、その際の確認内容が
- 生年月日
- 口座番号
- 住所
などを確認して、口座を凍結します。
口座の凍結は金融機関ごとにする必要があるので、複数の口座を持っている場合はその数だけ手続きをすることになります。
ただ、凍結前に勝手に故人の口座からお金を引き出すことになると、他の相続人とトラブルになる可能性があるので、他の相続人がいる場合は同意を得てからの方が確実です。
また、
故人の預金を引き出す=相続を単純承認したことになる
ので、たとえば故人に借金があとから発覚した場合でも、そちらも相続することになりますので注意が必要です。
凍結していても手続の上引き出せるように
令和元年に法改正がされ、例え凍結されたとしても、一定額までは引き出せるようになりました。
引き出せる額の計算式は
故人の預貯金額×⅓×その相続人の法定相続分=単独での引き出し額
【例】
相続人が長男と次男の2人で、口座に600万円ある場合
600万×1/3×1/2=100万
100万円までは手続の上引き出せることになります。
※計算結果が150万円を超えている場合でも、一つの金融機関につき150万円が限度です。
そして引き出した分については遺産の一部分割とみなされます。
口座凍結後に預金を引き出す時に必要な書類
- 被相続人(故人)の除籍謄本、戸籍謄本または全部事項証明書(出生から死亡まで連続したもの)
- 相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書
- 預金の払い戻しを希望する方の印鑑証明
と、かなりの書類が必要となってきます。
ですので、多少なりともわかっている出費に関しては、あらかじめ引き出しておいた方が金銭面で慌てずに済むかもしれません。